転造タップは、被削材を塑性変形させてねじ山を成形するため、切り屑が発生しません。そのため、タップに切り屑を排出するための溝がないのが特徴です。工具寿命が長く、高速加工が可能です。
一方、切削タップは刃で被削材を削りながらねじを作るため、切り屑が生じます。タップにも、切り屑を排出するための溝があるのが大きな違いです。
転造タップは、高速加工が求められる大量生産の現場で多く使用されます。ただし、塑性変形によってねじ山を作るため、高硬度材や脆さがある被削材には向かず、加工できるのが軟質で展延性のある材料に限定されます。
一方、切削タップは、鋳鉄やステンレスなど硬度の高い素材や、薄板・肉厚の異なる部品のねじ加工に適しています。加工対象の材質や、製品の求める特性に応じて、適切なタップを選ぶことが重要です。
転造タップには、潤滑を助ける溝の有無や形状の違いによる分類があります。特に、潤滑性を高めたオイルホール付きのものは、高精度な加工に適しています。切削タップには、ハンドタップ・スパイラルタップ・ポイントタップなどがあり、用途に応じて選択されます。例えば、スパイラルタップは止まり穴向け、ポイントタップは貫通穴向けに使用されます。
転造タップは、下穴で回転しながら素材を押し込んで谷と山を作る塑性変形によって雌ねじを作成します。切り屑が出てタップに絡むこともないため、高速加工できるのが特徴です。また、切り屑を排出する溝がない分芯厚があるため、タップが折れにくく長寿命。その加工特性から転造タップ以外にも、ロールタップや盛り上げタップなど様々な呼び方があります。
転造タップは、材料を切削しないため、ねじ山表面の仕上がりがきれいになり、強度も増すのがメリットです。工具寿命も長く、高速加工できるため、特に、大量生産向けの現場では、高い生産性を発揮します。
一方、デメリットとしては、切削タップより精度の高い下穴が必要であることが挙げられるでしょう。また、加工には大きなトルクが必要であり、工作機械の剛性も求められます。
転造タップは、アルミニウム合金や銅合金、ステンレス鋼などの展性が高い素材に適しています。主に自動車部品や電子機器などのねじ加工に使用され、高速加工できることから大量生産の現場で用いられることも多いです。特に、精度の高いねじを安定して供給する必要がある工程において、転造タップは有力な選択肢の一つになるでしょう。
切削タップは、刃で下穴に溝を削りながらねじ山を作成します。ハンドタップやスパイラルタップ、ポイントタップなど切削タップには様々な種類があり、用途に応じて使い分けます。主に、貫通穴にはポイントタップ、止まり穴にはスパイラルタップが使用されることが一般的です。また、比較的低いトルクで加工できるため、小型の機械でも扱いやすいのも特徴です。
切削タップのメリットは、幅広い材質に対応できることと、比較的少ないトルクで加工可能な点です。また、加工目的や用途に応じて、選択肢の幅があるのもメリットと言えます。一方で、切り屑の発生が避けられず、切り屑処理の手間がかかることがデメリットです。特に、高速加工を行う場合、切り屑詰まりが問題となることがあります。
切削タップは、合金鋼やステンレス、鋳鉄などの硬質材や脆性材の加工にも適しています。また、少量生産や試作の段階でも使用され、汎用性が高いのが特徴です。さらに、ねじの精度が求められる場合や、さまざまな形状の部品に対応する必要がある場合にも、切削タップが有効です。
転造タップと切削タップは、それぞれ異なる加工方法と特性を持ち、用途に応じて適切に使い分けることが必要です。素材や加工用途に合わせたタップを選択することで、効率性の高い作業が実現できるでしょう。
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