タップの切粉が詰まった

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切粉の詰まりが起きたタップとは?使い続けるとどうなる?

スギノマシン公式HPキャプチャ
画像引用元:スギノマシン公式HP(https://www.sugino.com/column/chips-removal-in-holes/)

切粉の詰まりとは、切粉が排出されずねじ穴に溜まった状態のことです。切粉が詰まった状態で使い続けると、切削性能が低下し、ねじの精度が悪化します。無理な力がかかることでタップが破損し、作業者の怪我やワークの損傷につながる恐れも。切粉の圧縮による摩擦熱で焼き付きが発生し、工具寿命が短くなるリスクもあります。

切粉の詰まりが起こる原因・仕組み

切粉の排出不良

タップの溝が狭いと切粉がスムーズに排出されず、ねじ穴に蓄積されやすくなります。また、切削油が不足すると潤滑性が低下し、切粉が刃にこびりついて詰まりの原因になります。

切削条件の不適合

回転数が適切でないと、切粉の形状にバラツキが出て、タップに絡まりやすくなります。特に小径タップでは、適切な条件を設定しないと切粉が詰まりやすくなるため、加工条件の最適化が重要です。

ワーク材質の影響

ステンレスやアルミなどの粘性の強い材料は、切削時に長い切粉が発生しやすく、タップの溝に絡みやすくなります。

切粉の詰まりの予防や対策

適切なタップの選定

ねじ穴の形状や加工材に合ったタップを選ぶことで、切粉の詰まりを軽減できます。用途に応じて使い分けることが重要です。

切削条件の最適化

被削材やタップの種類に応じた最適な条件を設定することが重要です。事前にテストを実施し、最適な条件を見極めることで、切粉詰まりを防げるでしょう。

切削油の使用と定期清掃の実施

加工時に切削油を適切に使用することで、熱による切粉の付着を防ぎ、排出を促せます。また、使用後は清掃を行うことで、安定した加工が可能になります。

メーカーを見直す

現在使用しているタップで詰まりが頻発する場合は、他メーカーの製品を試すのもありです。高精度な材質やコーティングのタップを採用することで、切粉詰まりの低減が期待できます

タップの切粉が詰まった

タップの切粉排出不良や不適切な切削条件、ワーク材の特性など、さまざまな要因によって切粉詰まりは引き起こされます。改善を図っても、タップがよく切粉詰まりする場合はメーカーを替えてみることも検討してみましょう。

当サイトでは「切削トラブル」「耐久性」「加工精度」など、現場で起きやすい悩みに合わせて、各メーカーの製品情報を整理しています。製品選びに迷った際は、ぜひ「タップメーカー3選」をご覧ください。

よくある課題別に選ぶ
タップメーカー3選

タップの寿命を延ばして
生産性を上げましょう
切りくずの噛み込み
ホルダーへの巻きつきが課題なら
彌満和製作所
(YAMAWA)
Z-PRO
彌満和製作所
引用元HP:彌満和製作所公式HP
https://www.yamawa.com/jp/
タップの全長を伸ばし
切りくずの排出を向上
機械加工で起こりやすい切りくずの噛み込みやホルダーへの巻き付きを防ぐため、一般的なタップよりも全長が長い「セミロング形状」を採用。切削油剤の確実な外部給油が可能となり、切りくずの詰まりによる折損や精度不良の改善に導く。
高硬度材の加工
タップの折損が課題なら
田野井製作所
(TANOI)
Wタフレット
田野井製作所Wタフレット
引用元HP:田野井製作所公式HP
https://www.tanoi-mfg.co.jp/product/w_tf/
HRC45の高硬度材でも
高寿命・高速度加工を実現
コーティングの密着性向上とワークとの摩擦を抑えるねじ山形状によって、高速加工と高耐久性を実現しているWタフレット。高硬度材でも加工定数を2倍に延ばした実績があり、タップ折損防止が期待できる。
めねじ内径のバリによる
加工工数の圧迫が課題なら
不二越
(NACHI)
バリレスシリーズ
不二越(NACHI)バリレスシリーズ
引用元HP:不二越(NACHI)公式HP
https://www.nachi-technologypark.jp/tool/product11/
めねじ内径のバリをなくし
バリ取りの二次加工を省く
「加工後のバリ取りは当然」という常識を覆す、バリレスシリーズ。下穴とタップ谷底の隙間を無くすことでバリレスを実現している。バリレス性能により懸念される寿命も、汎用タップと同等以上を担保。

よくある課題別に選ぶ
タップメーカー3選