
切粉の詰まりとは、切粉が排出されずねじ穴に溜まった状態のことです。切粉が詰まった状態で使い続けると、切削性能が低下し、ねじの精度が悪化します。無理な力がかかることでタップが破損し、作業者の怪我やワークの損傷につながる恐れも。切粉の圧縮による摩擦熱で焼き付きが発生し、工具寿命が短くなるリスクもあります。
タップの溝が狭いと切粉がスムーズに排出されず、ねじ穴に蓄積されやすくなります。また、切削油が不足すると潤滑性が低下し、切粉が刃にこびりついて詰まりの原因になります。
回転数が適切でないと、切粉の形状にバラツキが出て、タップに絡まりやすくなります。特に小径タップでは、適切な条件を設定しないと切粉が詰まりやすくなるため、加工条件の最適化が重要です。
ステンレスやアルミなどの粘性の強い材料は、切削時に長い切粉が発生しやすく、タップの溝に絡みやすくなります。
ねじ穴の形状や加工材に合ったタップを選ぶことで、切粉の詰まりを軽減できます。用途に応じて使い分けることが重要です。
被削材やタップの種類に応じた最適な条件を設定することが重要です。事前にテストを実施し、最適な条件を見極めることで、切粉詰まりを防げるでしょう。
加工時に切削油を適切に使用することで、熱による切粉の付着を防ぎ、排出を促せます。また、使用後は清掃を行うことで、安定した加工が可能になります。
現在使用しているタップで詰まりが頻発する場合は、他メーカーの製品を試すのもありです。高精度な材質やコーティングのタップを採用することで、切粉詰まりの低減が期待できます。
タップの切粉排出不良や不適切な切削条件、ワーク材の特性など、さまざまな要因によって切粉詰まりは引き起こされます。改善を図っても、タップがよく切粉詰まりする場合はメーカーを替えてみることも検討してみましょう。
当サイトでは「切削トラブル」「耐久性」「加工精度」など、現場で起きやすい悩みに合わせて、各メーカーの製品情報を整理しています。製品選びに迷った際は、ぜひ「タップメーカー3選」をご覧ください。


