用途・機能:インサートコイル用タップとは

インサートコイル用タップとはなにか?

インサートコイル用タップ(STIタップ)は、ヘリサートやタングレスインサートなどのwire thread insert(コイル状ねじ挿入子)を組み込むために、母材側に専用のめねじを切削する工具です。通常タップと比較するとねじピッチは同じでも、インサート線材の厚み分だけ外径が大きいのが特徴で、挿入後に標準ボルトが適正トルクで締結できるめねじ公差を確保します。

種類と用途

ハンドタップ(先・中・上げ)

三本一組(先タップ→中タップ→上げタップ)で順にねじ山を深めていく手作業向けのタップです。少量生産や補修作業で活躍し、止まり穴も奥まで仕上げられます。STIタップではハンドタイプにも標準径とオーバーサイズ(例として、表面処理やめねじ収縮に対応する+0.03 mmなど)のバリエーションが用意されています。

スパイラルタップ

らせん溝により切りくずを手前側へ連続排出する構造で、止まり穴や長穴でも切りくず詰まりを抑制します。

ポイントタップ(スパイラルポイント)

切りくずを前方へ押し出すことで通り穴加工に特化したタイプです。

ボトムタップ(標準ボトミング)

面取りが短く、止まり穴の底近くまでねじ山を立てる用途に向きます。

使用方法と注意点

下穴あけ

まずインサート規格表で指定されたドリル径で下穴を開けます。下穴が小さいとタップが噛み込み、大き過ぎるとめねじが薄くなりインサート保持力が不足するため、必ず適正径を守ります。

タップ加工

ゲージ確認

タップ完了後はインサート専用プラグゲージで通り側が無理なく入り、止まり側が2回転以上入らないことを確認します。これにより、挿入後のめねじ精度が保証されます。

インサート挿入と仕上げ

専用挿入工具でコイルをねじ込み、タング(ツメ)付きの場合は折取工具でタングを除去して完了です。タングレスインサートであれば折取り工程は不要です。加工後は切りくずや潤滑油を洗浄し、締結テストを行いましょう。

インサートコイル用タップとは

インサートコイル用タップは、軟質材のめねじ補強や損傷ねじ穴の修復に不可欠な専用ねじ切り工具です。標準タップと同じピッチでありながら外径を拡大して仕上げられているため、コイル挿入後でもボルトが安心して締結できます。手作業向けのハンドタップから高能率なスパイラル/ポイントタップまで用途別に選択肢があり、正しい下穴管理・潤滑・ゲージ検査を守ることで高品質な補強ねじを再現できます。

「インサートコイル用タップ」とは、コイルインサートの真価を引き出し、母材の信頼性を高めるための要(かなめ)となる工具なのです。

よくある課題別に選ぶ
タップメーカー3選

タップの寿命を延ばして
生産性を上げましょう
切りくずの噛み込み
ホルダーへの巻きつきが課題なら
彌満和製作所
(YAMAWA)
Z-PRO
彌満和製作所
引用元HP:彌満和製作所公式HP
https://www.yamawa.com/jp/
タップの全長を伸ばし
切りくずの排出を向上
機械加工で起こりやすい切りくずの噛み込みやホルダーへの巻き付きを防ぐため、一般的なタップよりも全長が長い「セミロング形状」を採用。切削油剤の確実な外部給油が可能となり、切りくずの詰まりによる折損や精度不良の改善に導く。
高硬度材の加工
タップの折損が課題なら
田野井製作所
(TANOI)
Wタフレット
田野井製作所Wタフレット
引用元HP:田野井製作所公式HP
https://www.tanoi-mfg.co.jp/product/w_tf/
HRC45の高硬度材でも
高寿命・高速度加工を実現
コーティングの密着性向上とワークとの摩擦を抑えるねじ山形状によって、高速加工と高耐久性を実現しているWタフレット。高硬度材でも加工定数を2倍に延ばした実績があり、タップ折損防止が期待できる。
めねじ内径のバリによる
加工工数の圧迫が課題なら
不二越
(NACHI)
バリレスシリーズ
不二越(NACHI)バリレスシリーズ
引用元HP:不二越(NACHI)公式HP
https://www.nachi-technologypark.jp/tool/product11/
めねじ内径のバリをなくし
バリ取りの二次加工を省く
「加工後のバリ取りは当然」という常識を覆す、バリレスシリーズ。下穴とタップ谷底の隙間を無くすことでバリレスを実現している。バリレス性能により懸念される寿命も、汎用タップと同等以上を担保。

よくある課題別に選ぶ
タップメーカー3選