タップ下穴径の「公差」とは?なぜ重要か

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公差とは?

公差とは、製品の寸法に許容される誤差の範囲を指します。具体的には、基準寸法に対して定められた最大許容寸法と最小許容寸法の差を「寸法公差」と呼びます。

製造現場では、設計どおり寸分違わず加工することは困難なため、あらかじめこの公差を設けることで、品質の安定化や生産効率の向上を図ることができます。

タップ下穴径における公差の重要性

タップ加工では、下穴径の正確さがその後のねじ精度に直結します。

とくに「めねじ」に関しては、内径(D1)や有効径(D2)が公差域クラス(例:6H)によって規定されており、この基準に基づいて適切な下穴径を選定する必要があります。

下穴径が小さすぎる場合:
・タップが破損しやすくなる
・ねじ山が深くなりすぎ、過剰な摩擦や焼き付きが発生

下穴径が大きすぎる場合:
・ねじ山が浅くなり、締結力不足や抜けの原因となる

そのため、ねじの「公差」に合わせて下穴径にも適切な寸法管理(および公差管理)が必要です。

公差域クラスとは?

JISでは、ねじの加工精度を「公差グレード(数字)」と「公差位置(記号)」で規定しており、これを組み合わせたものが「公差域クラス」と呼ばれます。

これらの公差に基づいて、タップ下穴径も設計する必要があります。

関連用語の整理

公差: 最大寸法と最小寸法の差

許容差: 基準寸法からの許容幅(±で表す)

許容限界寸法: 許される寸法の最大値と最小値そのもの

公差域クラス: 公差グレード+公差位置の組み合わせ(例:6H、6g)

タップ下穴径の「公差」とは?なぜ重要か

公差とは、製品の寸法に許される誤差の範囲で、加工精度や品質管理に不可欠ですタップ加工でも、適切な公差設定がなければ不良品や機能不良に繋がります公差グレードや位置、クラスを正しく選ぶことで、ねじ精度や適合性が確保できます。

当サイトでは「切削トラブル」「耐久性」「加工精度」など、現場で起きやすい悩みに合わせて、各メーカーの製品情報を整理しています。製品選びに迷った際は、ぜひ「タップメーカー3選」をご覧ください。

よくある課題別に選ぶ
タップメーカー3選

タップの寿命を延ばして
生産性を上げましょう
切りくずの噛み込み
ホルダーへの巻きつきが課題なら
彌満和製作所
(YAMAWA)
Z-PRO
彌満和製作所
引用元HP:彌満和製作所公式HP
https://www.yamawa.com/jp/
タップの全長を伸ばし
切りくずの排出を向上
機械加工で起こりやすい切りくずの噛み込みやホルダーへの巻き付きを防ぐため、一般的なタップよりも全長が長い「セミロング形状」を採用。切削油剤の確実な外部給油が可能となり、切りくずの詰まりによる折損や精度不良の改善に導く。
高硬度材の加工
タップの折損が課題なら
田野井製作所
(TANOI)
Wタフレット
田野井製作所Wタフレット
引用元HP:田野井製作所公式HP
https://www.tanoi-mfg.co.jp/product/w_tf/
HRC45の高硬度材でも
高寿命・高速度加工を実現
コーティングの密着性向上とワークとの摩擦を抑えるねじ山形状によって、高速加工と高耐久性を実現しているWタフレット。高硬度材でも加工定数を2倍に延ばした実績があり、タップ折損防止が期待できる。
めねじ内径のバリによる
加工工数の圧迫が課題なら
不二越
(NACHI)
バリレスシリーズ
不二越(NACHI)バリレスシリーズ
引用元HP:不二越(NACHI)公式HP
https://www.nachi-technologypark.jp/tool/product11/
めねじ内径のバリをなくし
バリ取りの二次加工を省く
「加工後のバリ取りは当然」という常識を覆す、バリレスシリーズ。下穴とタップ谷底の隙間を無くすことでバリレスを実現している。バリレス性能により懸念される寿命も、汎用タップと同等以上を担保。

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