公差とは、製品の寸法に許容される誤差の範囲を指します。具体的には、基準寸法に対して定められた最大許容寸法と最小許容寸法の差を「寸法公差」と呼びます。
製造現場では、設計どおり寸分違わず加工することは困難なため、あらかじめこの公差を設けることで、品質の安定化や生産効率の向上を図ることができます。
タップ加工では、下穴径の正確さがその後のねじ精度に直結します。
とくに「めねじ」に関しては、内径(D1)や有効径(D2)が公差域クラス(例:6H)によって規定されており、この基準に基づいて適切な下穴径を選定する必要があります。
下穴径が小さすぎる場合:
・タップが破損しやすくなる
・ねじ山が深くなりすぎ、過剰な摩擦や焼き付きが発生
下穴径が大きすぎる場合:
・ねじ山が浅くなり、締結力不足や抜けの原因となる
そのため、ねじの「公差」に合わせて下穴径にも適切な寸法管理(および公差管理)が必要です。
JISでは、ねじの加工精度を「公差グレード(数字)」と「公差位置(記号)」で規定しており、これを組み合わせたものが「公差域クラス」と呼ばれます。
これらの公差に基づいて、タップ下穴径も設計する必要があります。
公差: 最大寸法と最小寸法の差
許容差: 基準寸法からの許容幅(±で表す)
許容限界寸法: 許される寸法の最大値と最小値そのもの
公差域クラス: 公差グレード+公差位置の組み合わせ(例:6H、6g)
公差とは、製品の寸法に許される誤差の範囲で、加工精度や品質管理に不可欠です。タップ加工でも、適切な公差設定がなければ不良品や機能不良に繋がります。公差グレードや位置、クラスを正しく選ぶことで、ねじ精度や適合性が確保できます。
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